痒いところに手が届く快適感

  • 2008/04/08(火) 19:15:52

量販店の時計売り場を訪れると「電波時計」のコーナーが目立ち、ヒット商品が並んでいる。日本の2箇所から送信される標準電波の時間情報を受信し、自動的に時刻をセット、その後も定期的にデータを受信し、瞬時に時刻を修正してくれる快適品だ。

置時計では2000円前後、腕時計では5000円前後のものが出ており、ずいぶんと身近な存在となった。以前カシオ計算機では決算短信において、電波機能を全ての腕時計の基本性能にすべく、ラインナップを拡充させると謳っていた記憶がある。

実はこの製品、39年前に実用化されたクオーツ時計と、1995年にサービスが開始された文字多重放送などに使われる技術を応用したにすぎない。そもそも、文字多重放送技術もその要素技術は、電波の受信、データの解読、データの表示に分けられ、いずれもすでに確立された技術だ。

ヒットのポイントは、これらの技術をデザインの優れた製品に落とし込んだところだ。標準時の放送サービスが本格運用された1996年以降、新しい製品が続々と市場に投入され、いつの間にか消費者の心をつかんでいった。狂わない時計のほうがいいに決まっている。

すでに活用されていた技術をうまく応用したり、融合させたりしたものばかりである。それが消費者の「痒いところに手が届く」的な快適感、満足感、利便性が得られ、ヒット商品につながっている。

新しい技術だけが新しいマーケットを切り拓くのではない。ちょっとした「発想の転換」で古い技術でも十分ヒット商品は生まれるのだ。